株式会社の剰余金配当

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

今回は、株式会社における剰余金の配当について、ご説明をいたします。

 

[目次]

 

◆株式会社の剰余金

◆剰余金の配当手続き

◆違法な剰余金の配当

◆さいごに

〇株式会社の剰余金

剰余金とは、株主に対する分配可能額を算出する出発点となる数値のことであり、純資産から資本金・資本準備金を控除した金額のことをいいます。

会社は、分配可能額の範囲内で、株主に対し、いつでも剰余金の配当をすることが可能です。

ただし、自己株式には剰余金の配当をすることはできませんので、ご注意ください。

また、会社法では、会社の純資産額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当をすることができないという規定があります。

これは、会社債権者保護の観点から、会社の純資産額がわずかである場合には、例え計算上は分配可能額があったとしても、配当を許さないとする趣旨から定められています。

分配可能額の算出方法は、以下の通りです。

 

  • 剰余金の額 
  • 臨時決算日の属する事業年度の初日から、臨時決算日までの期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計算した額の合計、同期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 

(マイナス)

  • 自己株式の帳簿価格
  • 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額
  • 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額
  • その他法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額

分配可能額

 

〇剰余金の配当手続き

剰余金の配当をする為には、原則としてその都度、株主総会の普通決議が必要となります。

株式会社は、剰余金の配当の効力を生ずる日の分配可能額の範囲内という要件を満たす限り、一事業年度中に、回数の制限なく剰余金の配当が可能です。

ただし、現物配当の場合には、株主に金銭分配請求権を与える場合を除き、株主総会の特別決議によらなければならず、現物配当として、株式、社債又は新株予約権を与えることは認められていません。

また、取締役会設置会社においては、一事業年度の途中において、一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めることができます。

尚、この場合、配当することができるのは、配当財産が金銭であるものに限られる点に、ご注意ください。

 

〇違法な剰余金の配当

分配可能額が無いのに、又それを超えて剰余金の配当がなされた場合、会社は、株主に対してその返還を請求することができます。

また、会社債権者は、株主に対し直接違法分配額に相当する金銭を、債権額を上限として、自己に支払わせることが可能です。

しかし、違法配当を受けた株主全員から、違法分配額の返還を求めることは困難である場合も多いことから、業務執行取締役(指名委員会等設置会社においては、執行役)及び違法配当を決議した株主総会に議案を提出した取締役等は、その職務を行うにつき注意を怠らなかったことを証明しなければ、違法分配額を支払う義務を免れることはできないとされています。

また、この義務は、行為時の分配可能額を限度として、総株主の同意によって免除することも可能です。

尚、責任を履行した取締役等が、株主に求償をする場合、その対象は悪意の株主に限られますが、会社又は会社債権者が株主に返還を求める場合は、株主の善意・悪意は問われません。

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

剰余金は「余剰金」とも混同されがちです。

両者の最大の違いは、“剰余金”は、商法・会社法で規定されている専門用語、“余剰金”は、日常生活においても使用される一般的な言葉であるという点であるといえます。

また、“剰余金”は「企業が保有する純資産から、資本金・資本準備金を差し引いた残りの金額」を意味しますが、“余剰金”は「始めに定めた予算・金額に対し、多めに余った金銭・金額」という意味を持つ点でも違いがありますので、しっかり区別して使用するようにしましょう。

 

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