葬儀費用の取扱い

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

今回は、葬儀費用の取扱いについてご説明いたします。

[目次]

 

◆葬儀費用と遺産相続

◆葬儀費用と相続税

◆さいごに 

〇葬儀費用と遺産相続

分割対象となる遺産の範囲についての記事の中で、葬儀費用は分割対象となる遺産ではないというお話をいたしました。

では、葬儀費用は誰が支払いをすることになるのでしょうか。

相続財産は債務も含めて、被相続人が生前に有していた財産に限ります。

葬儀費用は被相続人の死亡後に発生する為、相続人が相続する債務には該当しません。

葬儀費用の負担者については、未だ判例がなく、考えが分かれている状況ともいえます。

しかし、実際には、葬儀に関する生前の被相続人の契約、相続開始後の当事者間の合意がない場合、一般的な慣例としても、葬儀費用は喪主が負担するという考えで運用されています。

日本では、被相続人の長男や、家業を継いだ相続人が喪主となり、葬儀費用を負担するケースが多いようです。

葬儀費用は、葬儀を依頼する人と葬儀会社による契約で発生する債務であり、被相続人の相続とは全く関係ありません。

その為、もしも相続人ではない人が喪主となった場合も、その喪主が費用を負担すべきと考えます。

例えば、誰か一人が葬儀費用を全額負担し、他の当事者に清算を求めた際、その当事者が支払ってくれない、というトラブルは珍しくないようです。

このような場合、相続債務や遺産管理とは異なり、民事訴訟等による手続きであっても解決するのは難しいといえるでしょう。

もっとも、相続人に支払う義務はないとはいえ、実際には相続財産から支払ったり、相続人同士で話し合い葬儀費用を負担し合っている場合が多いと考えられます。

 

〇葬儀費用と相続税

上記の通り、葬儀費用は遺産分割の対象とはなりません。

しかし、葬儀費用を支払った相続人は、相続税の計算の際に負担した金額を控除することができます。

注意が必要な点として、控除を受けられる人と受けられない人、葬儀費用の中でも控除できるものとできないものがあることが挙げられます。

<控除の対象者について>

相続人は、控除の対象となる負担した葬儀費用を、相続財産の額から控除することが可能です。

ただし、相続放棄をした法定相続人がいた場合、相続放棄の時点で相続人ではなくなりますので、例え葬儀費用を全額負担していたとしても、原則、葬儀費用は控除になりません

相続放棄した法定相続人の葬儀費用の控除が可能な例外としては、被相続人から遺贈などがあり相続税の申告が必要な場合が挙げられます。

また、遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類があり、遺贈を受けたものをそれぞれ「包括受遺者」「特定受遺者」といいます。

受遺者の場合は、「包括受遺者」である場合には相続人と同じ権利や義務がある為、葬儀費用についても同様に相続税から控除が可能ですが、「特定受遺者」である場合は、葬儀費用の控除はできません

①包括遺贈

特定の相続財産ではなく、相続財産の割合を指定して財産を遺贈することをいいます。

(例)全相続財産のうち、半分を愛人の○○へ遺贈する。

尚、包括受遺者は、相続財産の割合しか指定されていない為、相続人と同様に遺産分割協議に参加することになり、相続財産にマイナスの財産がある場合は、マイナス財産についても指定割合で承継することになります。

②特定遺贈

相続財産のうち、特定の財産を指定して遺贈することをいいます。

(例)○○の土地および建物を、〇〇へ遺贈する。

包括遺贈とは異なり、取得する財産が明確に指定されている為、遺産分割協議には参加できませんが、相続財産にマイナス財産が含まれている場合も、承継することにはなりません。

<控除の対象費用について>

控除できるもの

(例)通夜・告別式の費用、火葬費用、納骨費用、戒名料など

控除できないもの

(例)香典返しの費用、法要費用(初七日等)など

葬儀費用の中で、主に控除できるものは「直接的な費用」、控除できないものは「お礼的な費用」というイメージを持つと良いでしょう。

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

被相続人の死後は様々な手続きが発生しますが、特に葬儀については死後間もない期間で行われる為、相続人同士で十分な話し合いを設ける時間を作ることが難しい場合があります。

相続人同士のトラブルを防ぐ為にも、最近は生前から事前に葬儀に関して決めておいたり、遺言で詳細を記載しておく、という方も多いようです。

 

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