宅地建物取引業~営業保証金②~

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

 

今回は、宅地建物取引業における営業保証金の還付・取り戻しについてご説明いたします。

 

[目次]

 

◆営業保証金の還付

営業保証金の取り戻し

◆さいごに

〇営業保証金の還付

宅建業の取引から生じた債権」について、顧客は営業保証金から還付を受けることができます。

例えば、広告業者が宅建業者からマンションの分譲広告を依頼された際に受けた損害(広告の代金債権)は「宅建業の取引」ではありませんので、該当しません。

宅建業者が交通事故を起こした場合の被害者の治療費・慰謝料等や、建設業者が宅建業者から建設工事を請け負った場合の請負代金債権等についても同様です。

反対に、取引をした宅建業者が「破産」した場合や「免許が取り消された」場合に顧客が損失を受けた場合は、営業保証金から還付を受けることができます。

  【宅建業の取引】

顧客が営業保証金から還付を受けることにより、宅建業者が供託していた営業保証金は不足を生じることになります。

そこで、宅建業者は免許権者(知事・大臣)から営業保証金の不足通知を受けてから、2週間以内に不足額を追加供託しなければならないとされています。

そして、追加供託をした旨を宅建業者は免許権者(知事・大臣)に届け出る必要があり、届け出は追加供託の日から2週間以内に行う必要があります。

もしも事務所の営業を停止したとしても、事務所として存在している以上は追加供託が免除されるということにはならず、必ず存在する事務所の数に応じた営業保証金の供託が必要となりますのでご注意ください。

営業保証金の供託~還付~追加供託の一連の流れは以下の通りです。

〇営業保証金の取り戻し

宅建業者が営業保証金を供託しておく必要がなくなった場合、例えば「廃業」「免許の取り消し」「支店の廃止」となった場合には、宅建業者は供託所から営業保証金の取り戻しを受けることができます。

ただし、取り戻しを受けたことにより、営業保証金から還付を受けるはずの顧客が犠牲となることを防ぐ為、営業保証金の取り戻しを受ける為には、宅建業者は原則「6か月を下らない一定期間を定めて公告をしなければならない」とされています。

宅建業者は公告後、その定めた一定期間の経過後に営業保証金の残額を取り戻すことができます。

尚、例外として以下の場合には、宅建業者は公告をせずに直ちに営業保証金の取り戻しを受けることが可能です。

二重供託を生じた場合

前回の記事の主たる事務所の移転に伴う保管替え等の「②それ以外の場合(有価証券のみで供託している場合有価証券と金銭を組み合わせて供託している場合)」に該当します。

営業保証金は、従来の供託所および新たな供託所に供託され二重供託の状態となっており、従来の営業保証金を直ちに取り戻ししても、新たに供託された営業保証金で債権者(顧客)は保護される為です。

②宅建業者が保証協会に加入した場合

宅建業者は“営業保証金の供託”または“保証協会への加入”どちらかが義務付けられています。

保証協会に加入した場合、それで債権者(顧客)は保護されますので、営業保証金を直ちに取り戻しても問題ありません。

③取り戻しの原因が生じてから、10年が経過した場合

民法では債権の消滅時効について、下記のとおり定められています。

<第166条>

債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。

これにより、債権は10年で消滅時効にかかってしまい、それ以降は債権者は保護の必要がないと考えられている為、公告は不要となります。

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

営業保証金の取り戻しは、例え宅建業者が不正手段で免許を取得したことにより、免許取り消し処分を受けたような場合であっても、例外なく取り戻しを受けることができます。

しかし、上記例外①~③以外の場合には、必ず6か月以上の期間の公告が必要とされており、取り戻しを受けるまでには相当期間が必要となり、廃業等をしたからといってすぐに取り戻しを受けることはできませんのでご注意ください。

 

上記に関するご質問・ご相談などがございましたら、行政書士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問い合わせください。 

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