宅地建物取引業~報酬額の制限②~

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

 

宅地建物取引業者は、依頼者から限度額を超えた報酬を受け取ると、業務停止処分を受けることになります。

前回の売買・交換の報酬額の制限に続き、今回は貸借の報酬額の制限について説明いたします。

 

[目次]

 

◆貸借の報酬額

①賃貸借の媒介

②賃貸借の代理

③権利金の特則

④使用貸借

⑤消費税

◆さいごに

〇貸借の報酬額

①賃貸借の媒介

賃貸借の媒介を行った場合、依頼者(貸主および借主)双方から受け取ることのできる報酬額の合計は、1ヶ月分の借賃額が限度とされています。

貸主と借主から、いくらずつ受け取るという内訳の比率についての制限は原則として設けられていません。

その為、例えば、貸主1:借主9、貸主10:借主0、という内訳にすることも可能です。

ただし、居住用建物」の場合に限り例外として、貸主・借主の双方から借賃の半月分ずつ受け取ることとされています。

もっとも、この比率についても、依頼を受けるにあたってあらかじめ依頼者の承諾を得ている場合は変更することもできます。

 

②賃貸借の代理

売買の代理と同様、賃貸借の代理の場合も貸主・借主双方の代理人となることはできません。

その為、依頼者は貸主・借主のうちどちらか一方となり、その一方から1ヶ月分の借賃額を限度として報酬を受け取ることができます。

原則として、相手側からは報酬を受け取ることはできませんが、相手側の承諾がある場合には、相手側からも報酬を受け取ることが可能です。

ただし、この場合でも、依頼者・相手側から受け取る報酬額の合計は借賃1ヶ月分以内でなければなりません。

 

③権利金の特則

「居住用建物以外」の賃貸借で、権利金(賃借権設定の対価として支払われる、返還されないもの)が支払われる場合には、権利金の額を売買価格とみなして、売買の報酬額の計算をする場合と同様に計算することも可能とされています。

借地権という権利を、権利金という代金で売買したとみることができる為です。

「居住用建物」とは、“専ら居住の用に供する建物”のことです。

「居住用建物以外」とは、“非居住用建物”や“宅地”が該当し、事務所兼自宅としている場合にも該当します。

 

④使用貸借

使用貸借とは、当事者の一方が無償で物を引き渡し、相手方がその物について無償で使用収益することを可能とする契約です。

使用貸借の報酬の限度額は、通常の借賃」を想定し、それを元に計算することとなります。

 

⑤消費税

消費税は、「居住用建物宅地」の賃貸借には課税されず、「非居住用建物」の賃貸借の場合にのみ課税されます。

売買・交換の報酬と同様に、宅建業者が課税業者か免税業者かによって、報酬額に上乗せできる消費税が異なります。

《課税業者》報酬額 × 10

《免税業者》報酬額 ×

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

1つの取引に対して複数の宅建業者が関与した場合に、報酬の限度額は1つの業者が関与した場合と変わらない、という点も売買・交換の場合と同様です。

また、広告費等の必要経費は原則、報酬とは別に請求できませんが、依頼者から頼まれて行った広告の料金や、特別に依頼されて行った支出を要する特別の費用(現地調査等の費用)で、事前に依頼者の承諾があるものについては報酬とは別に実費の請求が可能です。

限度額を超えた報酬の請求をしただけでは、原則として処分を受けることにはなりませんが、不当に高額な請求をした場合には、実際に報酬を受け取らなくても業務停止処分を受けることになりますのでご注意ください。

尚、報酬額の制限については、宅建業者間の取引においても適用されます。

 

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