株主の権利

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

今回は、株式・株主の権利等についてご説明いたします。

 

[目次]

 

◆株式とは

◆単独株主権と少数株主権

◆株主平等原則

◆株式買取請求権

◆さいごに

〇株式とは

株式とは、株式会社における出資者である社員(株主)の地位を、細分化して均等な割合的単位の形にしたものです。

細分化することで、市場に散在する少額の財産を結集することが容易となります。

また、均等な割合的単位の形にすることにより、画一的な取り扱いができるようになる為、株主・会社間の集団的法律関係を数量的に簡便に処理することが可能となるメリットもあります。

株式を2人以上の者が共有することも認められておりますが、以下の通り、権利の行使に制限が設けられていますのでご注意ください。

<第106条>

株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。

 

株主は、自己が出資した株式会社が利益を上げた場合、その配当を受けることで自分も利益を受けたいと考えるのが一般的であり、反対に、経営者の手腕により株式会社の経営が悪化すると配当が減り、自己の持つ株式の価格も下がることから、会社経営に対して意見したいと考える場合もあるでしょう。

その為、株主には、会社から経済的利益を受けることを目的とする「自益権」と、株主総会で議決権の行使等をすることで会社の経営に参加することを目的とする「共益権」が与えられています。

自益権には、剰余金配当請求権や残余財産分配請求権などがあり、これらは定款の定めにより権利を制限することも可能ですが、いずれも一切与えない、ということは認められておりません

また、共益権には、株主総会における議決権や招集請求権、会社の運営を監督是正する権利等が含まれており、このように株式を保有することで、株主には様々な権利が発生します。

株主となれるのは自然人に限られておらず、法人もなることが可能です。

会社が他の会社の株式を一定以上取得することにより、親会社・子会社の関係が生じ、また、一定の場合には、自社の株式(自己株式)を取得することも可能です。

 

〇単独株主権と少数株主権

株主の権利には、持ち株が1株であっても行使することができる「単独株主権」と、発行済株式総数や総株主の議決権の一定数・一定割合以上の株を有する株主のみが行使することができる「少数株主権」があります。

前述の「自益権」と議決権は、いずれも単独株主権ですが、議決権以外の「共益権」には単独株主権と少数株主権があります。

議決権以外の共益権(監督是正権)は、少数派の株主を保護するために認められた強力な権利であり、広汎に認めてしまうと、会社運営の効率性を損なう恐れや総会屋(複数の会社の株を少しずつ所有し、それぞれの株主総会に出席し、金品を得る目的で会社や経営者を誹謗したり総会の議事を妨害したりする者)による濫用の恐れがある為、弊害が大きいものについては、行使できる株主を保有する株式数・議決権割合が一定以上のものに限定する必要があると考えられています。

議決権以外の共益権には、株主が株式を6か月前から引き続き保有しなければ行使できないものもあります。(定款で6か月を下回る期間を定めることも可能)

この保有期間の規定は、会社を困らせる意図などを持ち株式を取得し、監督是正権を行使するという濫用的行為を防止する為に設けられています。

尚、複数の株主が共同して少数株主権を行使するときは、各株主の有する株式・議決権の数を合計することになります。

 

〇株主平等原則

原則として、会社は、株主をその有する株式の内容及び数に応じて平等に取り扱わなければなりません

例えば、剰余金の配当は、各種類の株式数に応じ比例的に定めなければならず、株主毎に異なる扱いをすることは認められておりません。

この原則に反する会社の行為(株主総会決議や取締役会決議)については、無効となります。

ただし、例外として、非公開会社においては、以下に限り、株主毎に異なる取り扱いを行う旨を定款で定めることができます。

①剰余金配当請求権

②残余財産分配請求権

③株主総会における議決権

非公開会社では、株主の入れ替わりが少なく、株主相互間の関係も密である場合が多いことから、会社としても株主に対し、個別に異なる取り扱いができた方が良いと考えられる為、このような取り扱いが可能とされています。

 

〇株式買取請求権

株式買取請求権とは、株主が一定の場合に自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを会社に請求することができる権利のことです。

株式買取請求権は、以下のような場合に認められています。

①事業譲渡等をする場合

②合併・会社分割・株式交換・株式移転をする場合

③株式の譲渡制限をする場合

④株式に全部取得条項を付す場合

⑤ある種類株式の種類株主に損害を及ぼす恐れがある一定の行為を行う場合で、種類株主総会の決議が定款で排除されている場合

⑥単元未満株主の株式買取請求

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

6か月前から引き続き株式の保有が必要な共益権は、単独株主権・少数株主権どちらの場合も、公開会社なのか、非公開会社なのか、会社の分類によって株主の請求権行使に保有期間の規定があるもの・ないものがあります。

非公開会社に比べ、公開会社は一般的に大きな会社である場合が多く、株主も多い為、会社は防衛策を取る必要性が高いと考えられる為、株式の保有期間の規定が必要とされる請求権が多く存在します。

また、株主平等原則は、株式の内容及び数に応じて平等に取り扱うのが原則であり、権利の内容の異なる株式(種類株式)を発行し、株式の内容の違いに基づいて異なる取り扱いをすることは、何ら問題となりませんのでご注意ください。

 

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