株券と株主名簿

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

今回は、株券と株主名簿についてご説明いたします。

 

[目次]

 

◆株券

◆株主名簿

◆さいごに

〇株券

株券とは、株式会社における社員(株主)の地位を表章する有価証券のことです。

会社法では、株式会社は株券不発行を原則としていますが、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることにより、株券を発行することが可能です。

上場会社(証券取引所に自社の株式を公開・株式が売買されている会社)では、社債、株式等の振替に関する法律に基づく「株式振替制度」により、株式は全て電子化され、株券は不発行とされています。

その為、株券発行会社となることができるのは、非上場会社に限られます

株券が発行されると、株券の譲渡により株式を譲渡することが可能な為、取引の利便性が高まります。

しかし、非上場会社において、株式の譲渡頻度は高いとは言えず、株券の必要性は乏しいことから、株券は不発行が原則とされています。

株券発行会社は、原則として株式発行日以後、遅滞なく株券を発行しなければなりませんが、非公開会社の場合、株主からの請求があるまでは、株券を発行しないことも可能です。

また、株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることも可能です。(株券不所持制度)

 

〇株主名簿

株主名簿とは、その名称の通り、株主とその持株等に関する基本情報を記載した帳簿のことであり、株式会社に作成が義務付けされているものです。

作成された株主名簿は、原則として会社の本店に備え置かれ、株主及び債権者は、会社の営業時間内であればいつでも請求の理由を明らかにして、株主名簿の閲覧謄写請求をすることができます。

株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載又は記録した株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株士会社に通知した場合にあっては、その住所・連絡先)に宛てて発すれば足りるとされており、その通知又は催告は、通常到達すべきであったときに到達したものとみなされます。

株主から株式を譲渡され、新たに株主となった者は、原則として当該株式会社に対して株主名簿の名義書き換えの請求が可能です。

新旧株主間で株式の移転を行ったとしても、名義書き換えをしなければ当該株式会社及び株券不発行会社においては第三者に対して対抗することはできません。

これは、日々変動しうる株主の権利行使を円滑に処理することにより、株式会社の便宜を図る点にあり、各名義書換請求がなされない限り、例え会社が譲渡の存在を知っていても、名義株主を株主として扱えば良く、また、判例では、「記名株式の譲渡があつたにかかわらず株主名簿の名義書換が会社の都合でおくれていても、会社が右譲渡を認め譲受人を株主として取り扱うことは妨げないと解するのが相当である。(最判昭30年10月20日)」とされています。

また、名義書換制度は、会社が適法に名義書換の事務を行うことを前提としている為、「株式譲受人から株式会社に対し株式名義の書換の請求をした場合において、会社の過失により書換が行なわれなかつたときは、会社は、株式名義の書換のないことを理由として、株式の譲渡を否認することができない。(最判昭41年7月28日)」とされており、会社が名義書換を不当に拒絶したような場合、名義書換前であっても、株式の譲受人である株主は、株主であることを会社に対抗することが可能です。

~基準日制度~

株主としての権利を有し、会社に行使できる株主は、その時点における株主名簿上の株主です。

しかし、多数の株主が存在する会社において、誰がその時点における株主名簿上の株主であるかを把握するのは難しい場合も多く、会社法では、一定の日を基準日とし、その日の時点における株主名簿上の株主(基準日株主)を権利行使者と定めることができるとしています。

ただし、基準日株主と権利行使時における現時点の株主とが乖離するのは好ましいとは言えない為、基準日は、権利行使日の前3か月以内の日でなければならないとされています。

また、基準日は、定款で定めた場合を除き、当該基準日の2週間前までに公告することを要しますが、基準日後に募集株式の発行等により新たに株主となった者は、会社が認めれば株主総会における議決権行使をすることが可能です。

もっとも、その場合でも当該株式の基準日株主の権利を害することはできませんのでご注意ください。

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

株主名簿は、全ての株式会社において設立時に作成が必要であり、株式の相続や譲渡があった場合には、適宜記載情報の更新も必要です。

もしも、株主名簿の整備がされていない場合には、100万円以下の過料に処される可能性がありますのでご注意ください。

 

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