◆判例◆ 外国人の再入国の権利
札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。
今回は、在留外国人に対する一時渡航の自由の保障を否定した裁判例(最一判平成4年11月16日)をご紹介いたします。
[目次]
◆事実の概要
◆判示事項
◆法定要旨
◆さいごに
〇事実の概要
アメリカ合衆国国民であるXは、昭和48年9月、出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づき入国し、その後在留許可の更新を繰り返して本邦に在留してきました。
その間Xは、旧外国人登録法14条1項に基づく指紋押捺を行ってきましたが、昭和57年9月の登録証明書交付の際に、外国人差別に当たることなどを理由に押捺を拒否したところ、法務大臣Yはこれを理由として同年11月にXの再入国許可申請を不許可とする処分を行いました。
これに対しXは、本件処分の取り消し及び損害賠償を求める訴えを提起したところ、第1審、原審は共にXの請求を棄却した為、上告しました。
〇判示事項
我が国に在留する外国人が外国へ一時旅行する自由と憲法の保障の有無
〇法定要旨
我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されていない。
〇さいごに
いかがでしたでしょうか。
本判決では、指紋押捺の拒否が再入国不許可の理由とされています。
現在の指紋認証制度は、日本を訪れる外国人に指紋などの提供を義務付ける出入国管理上の制度であり、個人情報を利用した犯罪等を未然に防ぐことを目的とされています。
特別永住者、16歳未満の外国人、在留資格「外交」「公用」の所持、国の行政機関の長が招へいした外国人、その他法務省令で定めるものに該当する場合は免除となりますが、日本への入国を希望するほぼ全ての外国人が対象であり、指紋や顔写真の提供を拒否した場合には、入国は認められませんのでご注意ください。
尚、現在の入管法では以下の通り、一定の在留外国人について、出国から1年以内の再入国の場合に許可を不要とする「みなし再入国許可」という制度が設けられています。
<入管法26条の2>
本邦に在留資格をもつて在留する外国人(第十九条の三第一号及び第二号に掲げる者を除く。)で有効な旅券(第六十一条の二の十二第一項に規定する難民旅行証明書を除く。)を所持するもの(中長期在留者にあっては、在留カードを所持するものに限る。)が、法務省令で定めるところにより、入国審査官に対し、再び入国する意図を表明して出国するときは、前条第一項の規定にかかわらず、同項の再入国の許可を受けたものとみなす。ただし、出入国の公正な管理のため再入国の許可を要する者として法務省令で定めるものに該当する者については、この限りでない。
2 前項の規定により外国人が受けたものとみなされる再入国の許可の有効期間は、前条第三項の規定にかかわらず、出国の日から一年(在留期間の満了の日が出国の日から一年を経過する日前に到来する場合には、在留期間の満了までの期間)とする。
3 第一項の規定により外国人が受けたものとみなされる再入国の許可については、前条第五項の規定は、適用しない。
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