建設業許可~指値発注・不当な使用資材等購入強制の禁止、やり直し工事に関するQ&A~

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

 

本日は、指値発注・不当な使用資材等の購入強制の禁止、やり直し工事に関するQ&Aをいくつかご紹介いたします。

 

[目次]

 

◆指値発注・不当な使用資材等の購入強制の禁止、やり直し工事に関するQ&

◆さいごに

〇指値発注・不当な使用資材等の購入強制の禁止、やり直し工事に関するQ&A

Q1.元請負人が、下請負人に指値による発注をすることが禁止されていると聞いたが、具体的にどのような行為が該当するのか。

A. 指値発注とは、元請負人と下請負人が請負契約を交わす際に、下請負人の協議に応じることなく、元請負人が一方的に決めた希望する請負代金額を下請負人に提示し、その額で下請負人に契約を締結させる行為のことをいいます。

しかし、元請負人が自らの希望額を下請負人に提示すること自体は、契約交渉過程において通常行われうる行為であり、直ちに建設業法上の問題となるものではありません。

下請代金の額の交渉に際し、元請負人が下請負人と十分に協議しないことや、協議に応じず今後の取引の不利益を示唆するなど強制的に元請負人が指値した額での契約を締結させる行為については、建設業法違反となる恐れがある為、注意が必要です。

その他、建設業法違反となる恐れがある行為事例、建設業法違反となる行為事例をいくつかご紹介いたします。

【建設業法違反となる恐れがある行為】

・合理的根拠がないにも関わらず、元請負人が、下請負人による見積額を著しく下回る額で下請代金の額を一方的に決定し、その額で契約締結をした場合。

・元請負人が、自らの予算額のみを基準として、又は、他の下請負人から提出された低額の見積金額を一方的に下請代金の額に決定するなどし、その額で契約締結した場合。

【建設業法違反となる行為】

・請負代金額の合意が得られていない段階で、下請負人に工事を着手させ、工事の施工途中又は施工終了後に、下請負人との協議に応じることなく、元請負人が下請代金の額を一方的に決定し、契約締結をした場合。

・下請負人が見積を行う為の期間を設けることなく、自らの予算額を下請負人に提示し、下請契約締結の判断をその場で行わせ、契約締結した場合。

 

Q2. 下請負人に対する使用資材や購入先の指定をすることについて、建設業法で禁止されていると聞いたが、具体的に教えてほしい。

A.建設工事の下請契約は、元請負人の希望するものを作ることが目的であることから、元請負人が自己の希望する資材等又はその購入先を指定することは当然のことであるといえ、下請契約の締結前に元請負人から資材やその購入先を指定されても、下請負人はそれに従って適切な見積もりを行うことで、適正な請負代金で契約することが可能です。

しかし、契約締結後に使用資材等の指定が行われると、既に使用資材や機械器具等の購入を済ませている下請負人に損害を与え、又、未購入であっても見積段階よりも資材等の購入価格が高くなってしまう恐れがあり、下請負人の保護の観点から禁止されています。

建設業法では、不当な使用資材等の購入強制の禁止について、以下の通り定められています。

<第19条の4>

注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害してはならない。

 具体的には、以下のような内容を指します。

【自己の取引上の地位を不当に利用】

元請下請間の取引依存度が高い場合等、下請負人にとっても元請負人との取引の継続が困難になることが、下請負人の事業経営上大きな支障をきたす場合、元請負人が下請負人にとって著しく不利益な要請を行っても、下請負人がこれを受け入れざるを得ないような場合が想定されます。

このような取引関係が存在している場合に、元請負人が下請負人の指名権、選択検討を背景に、元請負人の希望する価格による取引に応じない場合は、その後の取引において不利益な取り扱いがあることを示唆する等、下請負人に不当な取引を強要することが該当します。

ただし、請負契約の内容から、一定の品質の資材等を当然必要とすることが明らかであるにも関わらず、下請負人がそれよりも品質の劣った資材等を使用しようとしている場合については、元請負人が一定の品質の資材等を購入させた場合であっても、取引上の地位の不当な利用にはあたりません。

【使用する資材等若しくはそれらの購入先の指定】

元請負人が、下請工事の使用資材や機械器具について、具体的に会社名や商品名等を指定する場合、又は、購入先となる販売会社等を指定する場合をいいます。

【下請負人の利益侵害】

使用資材等を指定して購入させたことにより、下請負人が想定していた資材等の購入価格より高い価格で購入せざる得なくなった場合や、既に購入していた資材等の返品が発生し金銭・信用面における損害を受けることで、従来の販売店との取引関係が極度に悪化した場合等のことをいいます。

使用資材等の指定があった場合でも、指定された資材等の価格が、下請負人が予定していた購入価格よりも安く、かつ、資材の返品等の問題が生じないような場合には、建設業法上の問題とはなりません。

 

Q3.下請負人に対して工事のやり直しを求めた場合、建設業法に違反することがあると聞いたが、具体的に教えてほしい。

A.まずは原則として、下請工事のやり直しが発生しないよう、請負人は、下請工事の施工に際し下請負人との十分な協議・明確な施工支持を行うなど、防止に努める必要があります。

ただし、やむを得ず施工後に、下請負人に対して工事のやり直しを依頼する場合もあります。

その際には、下請負人の責めに帰すべき事由がある場合を除いて、やり直し工事に必要な費用は元請負人が負担する必要があります。

尚、元請負人が費用を全く負担することなく、下請負人にやり直し工事を求めることができるのは、次の場合に限られます。

①下請負人の施工が契約書に明示された内容と異なる場合

②下請負人の施工に瑕疵等がある場合

ただし、下請負人から施工内容等を明確にするよう求めがあったにも関わらず、元請負人が正当な理由なく明確にせず下請負人に継続して作業を行わせた結果、下請工事の内容が契約内容と異なるものとなった場合や、下請負人から確認を求められ、元請負人が了承した内容に基づいて施工された下請工事の内容が契約内容と異なるものとなった場合には、元請負人が費用を全く負担せずにやり直し工事を要請することはできませんので、ご注意ください。

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

使用資材等について、購入先等の指定を行う場合には、元請負人は予め見積条件として、それらの項目を提示する必要があります。

また、やり直し工事について、下請負人の責めに帰すべき事由がないにも関わらず、施工後にやり直しを依頼する場合は、必要となる費用について、元請下請間で十分協議の上、契約変更を行う必要がありますので、ご注意ください。

 

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