建設業許可~監督処分に関するQ&A~

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

 

本日は、建設業法における監督処分に関するQ&Aをいくつかご紹介いたします。

 

[目次]

 

◆監督処分に関するQ&

◆さいごに

〇監督処分に関するQ&A

Q1.監督処分のうち、営業停止処分を受けてしまった。営業停止期間が始まるまでの手続き等があれば教えてほしい。

A.営業停止処分を受けるときには、まず監督官庁から事実の報告が求められます。

そして、弁明の機会が与えられた後、処分通知がなされます。

処分通知がなされると、通常2週間後に営業停止の始期が設定されますが、営業停止を命じられた場合であっても、これらの処分がなされる前に締結した請負契約に基づく建設工事については施工することができるとされています。

その為、その2週間のうちに当該処分を受ける前に締結された請負契約に係る建設工事の注文者に対し、営業停止処分を受けたこと及び引き続き施工することなどを通知する必要があります。

当該建設工事の注文者においては、この通知を受けた日又は処分があったことを知った日から30日以内に限り、その建設工事の請負契約を解除することも可能です。

尚、この通知は、当該処分通知を受けた後2週間以内に行わない場合、罰則の適用がありますのでご注意ください。

<第29条の3>

 第三条第三項の規定により建設業の許可がその効力を失つた場合にあつては当該許可に係る建設業者であつた者又はその一般承継人は、第二十八条第三項若しくは第五項の規定により営業の停止を命ぜられた場合又は前二条の規定により建設業の許可を取り消された場合にあつては当該処分を受けた者又はその一般承継人は、許可がその効力を失う前又は当該処分を受ける前に締結された請負契約に係る建設工事に限り施工することができる。この場合において、これらの者は、許可がその効力を失つた後又は当該処分を受けた後、二週間以内に、その旨を当該建設工事の注文者に通知しなければならない。

2 特定建設業者であつた者又はその一般承継人若しくは特定建設業者の一般承継人が前項の規定により建設工事を施工する場合においては、第十六条の規定は、適用しない。

3 国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項の規定にかかわらず、公益上必要があると認めるときは、当該建設工事の施工の差止めを命ずることができる。

4 第一項の規定により建設工事を施工する者で建設業者であつたもの又はその一般承継人は、当該建設工事を完成する目的の範囲内においては、建設業者とみなす。

5 建設工事の注文者は、第一項の規定により通知を受けた日又は同項に規定する許可がその効力を失つたこと、若しくは処分があつたことを知つた日から三十日以内に限り、その建設工事の請負契約を解除することができる。

 

Q2.営業停止処分を受けた場合に、行うことができない行為、行っても問題ない行為について教えてほしい。

A. 営業停止処分は、建設業者としての営業活動を停止する処分です。

その為、建設工事請負契約の締結及び入札、見積り等、これに付随する行為が一定期間禁止となりますが、これは新規契約に限られず、処分を受ける前に締結された請負契約を変更する契約も含まれます。

営業停止期間中は行えない行為、営業停止期間中でも行える行為としては以下のものが挙げられます。

尚、海外建設工事に関する業務については、営業停止処分による影響を受けない為、営業停止期間中であっても、海外建設工事についての建設工事請負契約の締結が可能です。

【営業期間中は行えない行為】

①新たに行う建設工事の請負契約の締結(仮契約に基づく本契約の締結も含む)

②処分を受ける前に締結された請負契約の変更であり、工事の追加に係るもの(工事の施工上、特に必要があると認められるものを除く)

③上記①~②及び営業停止期間終了後における新たな建設工事の請負契約の締結に関連する入札、見積り、交渉等

④営業停止処分に地域限定が付されている場合は、その地域内における上記①~③の行為

⑤営業停止処分に業種限定が付されている場合は、その業種に係る上記①~③の行為

⑥営業停止処分に公共工事又はそれ以外の工事に係る限定が付されている場合は、その公共工事又はそれ以外の工事に係る①~③の行為

【営業停止期間中でも行える行為】

①建設業の許可、経営事項審査、入札の参加資格審査の申請

②処分を受ける前に締結された請負契約に基づく建設工事の施工

③施工の瑕疵に基づく修繕工事等の施工

④アフターサービス保証に基づく修繕工事等の施工

⑤災害時における緊急を要する建設工事の施工

⑥請負代金等の請求、受領、支払い等

⑦企業運営上必要な資金の借り入れ等

 

Q3.営業停止処分の他、営業禁止命令というものもあると聞いたが、どういうものなのか。

A. 営業禁止命令とは、建設業者が営業停止処分を受けたときに、その企業の役員や処分の原因である事実について相当の責任を有する営業所長等が、他の建設業者の役員等となって営業を行うことになれば、監督処分の実効性がなくなってしまう為、これらの者に対して建設業者等に対する営業停止処分と同時に営業の禁止を命じることをいいます。

禁止内容は、その企業の役員や処分の原因である事実について相当の責任を有する営業所長等が、営業停止を命じる範囲の営業を内容とする営業を新たに開始すること、又は、それを目的とする法人の役員となることです。

これらの者には、当該処分の日前60日以内において役員または使用人であった者も含まれますのでご注意ください。

また、この営業禁止は、新たに営業を開始することを禁止するものであり、処分を受ける以前から既に他の法人の役員等となっている場合には、該当しません。

営業停止処分を行うときには、必ず営業禁止処分も行われ、営業禁止期間は、営業停止期間と同一の期間となります。

<第29条の4>

国土交通大臣又は都道府県知事は、建設業者その他の建設業を営む者に対して第二十八条第三項又は第五項の規定により営業の停止を命ずる場合においては、その者が法人であるときはその役員等及び当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人(当該処分の日前六十日以内においてその役員等又はその政令で定める使用人であつた者を含む。次項において同じ。)に対して、個人であるときはその者及び当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人(当該処分の日前六十日以内においてその政令で定める使用人であつた者を含む。次項において同じ。)に対して、当該停止を命ずる範囲の営業について、当該停止を命ずる期間と同一の期間を定めて、新たに営業を開始すること(当該停止を命ずる範囲の営業をその目的とする法人の役員等になることを含む。)を禁止しなければならない。

2 国土交通大臣又は都道府県知事は、第二十九条第一項第七号又は第八号に該当することにより建設業者の許可を取り消す場合においては、当該建設業者が法人であるときはその役員等及び当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人に対して、個人であるときは当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人に対して、当該取消しに係る建設業について、五年間、新たに営業(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うものを除く。)を開始することを禁止しなければならない。

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

営業停止処分が行われた場合であっても、営業停止処分命令が到達する以前に締結した建設工事請負契約に係る建設工事については、引き続き施工が可能である一方、営業停止処分命令の到達日から営業停止期間の始期までに締結した建設工事請負契約に係る建設工事については、営業停止期間中の施工はできません。

また、建設工事請負契約以外の契約行為については禁止されていない為、資材調達契約や保守管理契約等の締結は可能です。

しかしながら、いかなる名義で契約締結をした場合においても、その内容が実質的に報酬を得て建設工事を完成することを目的とした契約となっている場合には、建設工事の請負契約とみなされますので、注意が必要です。

 

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