事業譲渡①

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

今回は、事業の譲渡について、ご説明をいたします。

 

[目次]

 

◆事業譲渡とは

◆事業譲渡のメリット・デメリット

◆さいごに

〇事業譲渡とは

事業譲渡とは、会社(譲渡会社)が取引行為として、「事業」の全部又は一部を他の会社(譲受会社)に譲渡することをいいます。

事業譲渡は、譲渡会社の全てを譲渡する「全部譲渡」と、譲渡会社の事業のうち一部門を切り離して譲渡する「一部譲渡」、2つの方法に分けられます。

会社は、自らが有する店舗や工場、敷地等の他、“ノウハウ”や“のれん”等を含むひと塊の財産(事業)を譲渡することができますが、事業譲渡は譲渡する会社への影響が少なくない為、原則として、厳格な手続きを経ることが必要とされています。

株式会社が、以下のような行為を行うには株主総会の特別決議が必要です。

①事業の全部の譲渡

②事業の重要な一部の譲渡

(譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が、株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の5分の1を超えない場合を除く)

③親会社による重要な子会社(帳簿価額が親会社の総資産の5分の1を超えるもの)の株式の譲渡

 ※譲渡後に、子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しなくなる場合に限る

④他の会社の事業の全部の譲受け 等

 

このように、株式会社がある財産を譲渡しようとするときには、それが株主総会の特別決議を必要とする事業譲渡であるかどうかが問題となりますが、判例では「(1)一定の営業の目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要なる一部を譲渡し、(2)これによって、譲渡会社がその財産によって営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、(3)譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に競業避止業務を負う結果を伴うものをいう(最大判昭40年9月22日)」とされています。

その為、例えば、株式会社が店舗・工場棟を他の会社に譲渡した場合であっても、譲受会社が事業活動を受け継がないような場合には、事業譲渡にはあたらず、株主総会の特別決議は不要となります。

また、事業の重要な“一部”の譲受けは、規制の対象ではない点にも注意が必要です。

 

〇事業譲渡のメリット・デメリット

事業譲渡は、譲渡(売り手)側と譲受け(買い手)側、それぞれ以下のようなメリット・デメリットが挙げられます。

【譲渡側】

~メリット~

・特定の事業を指定して売却することができる

・会社に負債があっても譲受け先が見つかりやすい

・会社を存続して経営が可能

~デメリット~

・経営者だけでは進められない ※債務者や従業員と個別の承諾を得る必要がある。

・株式譲渡等と比べて時間がかかる

・事業譲渡の売却益に法人税が発生する

競業避止義務(会社法第21条)がある

<第21条>

事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。

2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。

3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。

 

【譲受け側】

~メリット~

・対象事業の範囲を指定できる

・会社の負債や債務の引継ぎが不要 ※商号を継続して利用する場合は引き継ぐ可能性もあり

・のれん相当額の償却、有形固定資産の減価償却等の節税ができる

~デメリット~

・株式譲渡等と比べ、契約の再締結等、譲受完了までに手間・時間がかかる

・譲渡代金の支払いに消費税が発生する

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

事業譲渡は、株式譲渡合併会社分割等とは異なり、契約により、譲渡対象の事業を選べるのが特徴といえます。

だだし、上記のように手続きが煩雑であることにより、手続きに関するコストが膨らむ可能性がある等のデメリットもありますので、ご注意ください。

 

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