建設業許可~人工出し~

      

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。

 

本日は、建設業者間でよく耳にする「人工出し」についてご説明いたします。

 

[目次]

 

◆「人工出し」と労働者派遣法

◆「人工出し」と建設業許可の経験

◆さいごに

〇「人工出し」と労働者派遣法

仕事が忙しく人の手を借りたいとき、例えば、ティッシュ配りなどの場合は派遣会社へ登録することで労働者を借りることができますが、建設業の場合、素人が現場に来ても、荷物の運搬等の単純作業以外、専門知識・経験が無ければ人手不足の解消にはほとんど繋がりません。

その為、専門の技術を持った職人を派遣する「人工出し」というサービスを行う業者が存在し、必要な日に求められる人数を貸しています。

人工出しは、自社で仕事を請け負ったり、下請として工事を任されるわけではありませんので、建設工事における請負契約には該当しません

更に、工事現場に人を派遣したり、人を貸したりする人工出しは「労働者派遣」に該当し、建設業務の派遣は、労働者派遣法によって禁止されています。

<第4条>

何人も、次の各号のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行つてはならない。

一 港湾運送業務(港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)第二条第二号に規定する港湾運送の業務及び同条第一号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として政令で定める業務をいう。)

二 建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。)

三 警備業法(昭和四十七年法律第百十七号)第二条第一項各号に掲げる業務その他その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣(次節並びに第二十三条第二項、第四項及び第五項において単に「労働者派遣」という。)により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務

2 厚生労働大臣は、前項第三号の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。

3 労働者派遣事業を行う事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その指揮命令の下に当該労働者派遣に係る派遣労働者を第一項各号のいずれかに該当する業務に従事させてはならない。

 

従業員を他社の要請に応じて現場で働かせる場合、以下の3つが考えられます。

①労働者供給

供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣法第二条第一号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないもの。

②労働者派遣

自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないもの。

請負

当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約すること。

 

このうち①及び②は違法行為であり、③の請負のみが適法に他社の要請に応じて現場で働かせることが可能です。

これらの区別基準は、“誰が指揮命令しているか”という点が最大の違いであり、例え請負契約の形式で行われている場合であっても、従業員に対し、自らの責任において業務遂行に関する指示や管理を行うのではなく、注文者や他社が指揮命令をしているような場合には偽装請負として違法となりますのでご注意ください。

 

〇「人工出し」と建設業許可の経験

人工出しは、原則として建設業法で定める建設業には該当しません。

しかし、建設業許可取得の要件である(旧)経営業務の管理責任者専任技術者における経験について、人工出しの過去の経験の判断が異なる場合があります。

経営業務の管理責任者や専任技術者は、該当する国家資格の保持が無い場合でも、過去の経験があることで認められます。

この“経験”に人工出しの経験が認められるかどうかについて、許可行政庁ごとに取り扱いが異なるものの、多くの自治体では以下のように考えられているようです。

・経営業務の管理責任者の経験 ⇒ 人工出しの経験は使えない

・専任技術者としての経験 ⇒ 人工出しの経験が使える

ただし、あくまでも許可行政庁の判断となりますので、必ず事前に申請先の自治体への確認を行うようにしましょう。

 

〇さいごに

いかがでしたでしょうか。

前述の通り、工事現場に労働者を派遣する「人工出し」は違法となり、違反すると、罰則(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)の適用があります。

ただし、厚生労働大臣から雇用管理の改善と労働力の受注調整を一体的に実施する為の計画の認定を受けた事業者団体の構成員である建設業者が、その実施計画に従って行う建設業務労働者就業機会確保事業(建設労働者の雇用の改善等に関する法律第15条第2項)については、自己の雇用する常用労働者を、認定を受けた事業者団体の構成員である他の建設業者に一時的に送り出すことは可能とされています。

 

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